酒さという病気について教えて下さい。

最終更新日 2024年4月20日

「酒さの原因が知りたい」
「若いときから赤ら顔で悩んでいる」
「酒さの具体的な症状と治療法を知りたい」

酒さ(しゅさ)とは、鼻や顎や頬等が赤くヒリヒリする火照りを見せてしまう病気の事を言います。
お酒を飲んだ際に、顔が赤くなる様子と重なるイメージという事で、病気名に「酒」と入ったという説もありますが、アルコール類とはネーミング以上の繋がりは特にない事は注意しておきたい部分です。
20歳以降の女性が発症する事が多いという統計もありますが、男性でも起きる人には起きてしまう傾向があります。
外的な刺激に肌が敏感であるという事で、酒さという名前は知らないで、自身は敏感肌なのだと考えている人も少なくありません。

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酒さの症状と原因

人によって症状はマチマチであり、少し赤くなってヒリヒリする初期レベルに留まる人もいれば、重度のニキビの様に本格的に皮膚が盛り上がって赤くなり痛くなるという様な人もいます。
原因に関しては、残念ながら現在に至るまでハッキリ分かってはいません。
現時点までで判明している事は、皮膚の下の毛細血管が何らかの刺激を受けた際に、大きく広がる体質の結果症状が出るという事です。
つまり、環境要因や遺伝的体質の為等、色々な事が考えられていて統一見解がまだないのだと思って下さい。
ただし、毛細血管の広がりが原因ですので、症状を自身のコントロール下におく事もその気になれば可能です。
例えば過度のアルコールやカフェインの摂取は症状を悪化させる切欠となりますし、極端な寒暖差がある様な環境では症状が出かねない事を予想して準備する事も出来ます。

更年期専門や婦人科等の外来で薬をもらっておくのも1つの選択

他にも昨今の酷暑の様な夏の日差し等、紫外線が極端な所に出かける事や、過度の運動に喫煙習慣等も症状にリーチが出てしまうという事は知っておいても損はありません。
これ以外には興奮した際の血流増加や更年期のホルモン異常等で病気は悪化する事等もありますので、結構症状が強めに出て、自己コントロール可能な範囲に来ていると感じた場合は、早い段階で更年期専門や婦人科等の外来で薬をもらっておくのも1つの選択肢です。
ちなみに、酒さを気にする余りファンデーションとクレンジングの合わせ技にて、赤みを隠そうと考える人も一定以上います。
ですが化粧関係は皮膚に関する一定程度の刺激になってしまう事も考えられますので、もしもこの方法を考えるのであれば、やはり病院で1度しっかり診察してもらってから、実施する様にして下さい。

酒さの具体的な症状と進行度に関して

続いて、具体的な症状と進行度に関してですが、症状の初期では前述した様に鼻や頬等が淡く赤くなるレベルに留まります。
人によっては、寒い雪の中から戻った際の霜焼けの様な感覚を覚えるという様な人もおりますが、その範囲だからこそ場合によっては、酒さである事に無自覚であるという様なケースも少なくありません。
この症状が進行すると、今度は毛穴が小さく盛り上がってブツブツが目立つ様になったり、人によっては重度のニキビの様相を呈してきたりします。
手塚治虫の鉄腕アトムに登場するお茶の水博士が、鼻に重度の症状が出た鼻瘤という症状の説明例として使われる事がありますが、このタイプは男性がメインで女性には稀有である事等も押えておきたいポイントと言えます。
ただ、毛細血管に起因する事ですので、1度こうなってしまったら顔面が変形し2度と戻らないという様な事はありません。

1日の間に症状の大きさが変わる

寝起きの前後に酷くなるが、昼間には消えてしまうという様に1日の間に症状の大きさが変わるというのも特徴です。
更に病院での検査に関してですが、皮膚症状の有無と症状を悪化させる因子が生活上にどの程度あるかで判断されると思って下さい。
後はとても大事な点として、診断する場合に化粧があると正確な情報が読み取り難くなってしまう問題が台頭します。
ですので、病院に行く前には必ずノーメイクが基本になります。
後はこの病気は、脂漏性皮膚炎と呼ばれる眉間や鼻脇の皮膚炎とよく似ている事もあり、この病気の治療として使われるステロイド外用薬の使用の結果、酒さの様な症状が出る事があります。
そして、遅漏性皮膚炎の治療が、もしも想定よりも長引いた場合は、実は症状が似ている酒さの方が本題であったというケースもありますので、その点には注意が必要です。

診断が付いた後の治療法に関して

最後に診断が付いた後の治療法に関してですが、原因が一概には言えないという事もありますので治療は長期になります。
悪化原因を遠ざける生活習慣の構築と同時に、ビタミン剤とテトラサイクリン系の抗生剤(特にミノサイクリン)の内服を基本として進められます。
ニキビの様なブツブツであったり、びまん性の赤ら顔にも抗生剤は大きい効果を出してくれますので、この薬があるだけでも生活が随分と楽になるはずです。
ちなみに、かつては治療にステロイドが使われていた時期もあったのですが、最新の研究では効果が乏しいという結論が出ており、悪影響の方が心配されますので避けた方が堅実と言えます。
昨今ではタクロリムス軟膏等、ステロイドを使わない軟膏等も登場していますが、これの場合は症状の原因がニキビダニにあった場合は無効になってしまいます。

まとめ

そういった微妙な機微への対処の意味も兼ねて、本格的に困っている場合は必ず病院へ行く様にして下さい。