林田先生教えて!機能性表示とは何ですか。どんな特徴がありますか。

最終更新日 2024年4月20日

林田学さんに聞く!機能性表示について

機能性表示というのは、トクホといわれる特定保健用食品や栄養機能食品とは異なる新しい食品の機能の表示です。
トクホの場合は、健康の維持増進に役立つ科学的根拠が認められ、効果や安全性について国が審査をして、許可しています。

栄養機能食品というのは、ビタミンやミネラルなどの1日に必要な栄養成分が不足しがちな場合に、その補給のために利用できる食品です。
科学的根拠が認められている成分の量が一定基準を満たしていれば、国への届け出などをしなくても栄養機能食品と表示することができます。

それらに対して、機能性表示食品は、業者の責任で、科学的根拠を基に商品のパッケージに機能性を表示することを消費者庁に届けて販売されています。
商品には注意書きが記載され、消費者庁のサイトにも情報があります。

ただしい製品の常用を消費者に伝えられるようにした制度です。
消費者が誤解すること無く合理的に商品を選択できるような情報を表示します。

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機能性表示の特徴

この制度の特徴は、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している方を含む)、授乳婦を除いた、病気がない人を対象にしています。
対象となる食品は、ごく一部を除き、生鮮食品を含め、すべての食品が対象であることです。

また、安全性や機能性の根拠についての情報が、製品の発売前に、消費者庁長官に届けられています。
またこの情報は、消費者庁のサイトで公開されています。

なお、トクホと異なり、国は安全性や機能性の審査はしていません。
審査してから許可されて発売されているわけではないのです。

機能性表示食品には、届け出番号、届け出た内容が記載されます。
この内容は「本品には~が含まれるので、~の機能があります」とうような表示です。

さらに、事業者の連絡先や使用上の注意、摂取量なども記載されています。
医薬品では無く、失敗の診断や治療、予防を目的とした物ではありません。
安全性や機能性、生産や製造、品質の管理、健康被害が生じた場合の連絡が受けられる体制などが消費者庁長官に届けられており、この情報が消費者庁のサイトで確認できるのです。

国による審査がないのでチェックが甘い

批判としては、国による審査がないのでチェックが甘いというものです。
パッケージの表示について、表現内容は定められていますが、あくまで企業の自己責任で発売し、国のお墨付きがないからです。

国が効果や安全性について保証した食品では無いことに注意して購入摂取しなければなりません。
機能性表示食品を利用するときは、自分の食生活をふりかえって、バランスの取れた食事をするために利用してください。

たくさん摂取すれば、それだけ高い効果が期待できるわけでは無いのです。
パッケージに記載されている用量や用法を守りましょう。
そして、食べて体調に異変を感じたら、パッケージに記載されている連絡先に連絡します。

とはいえ、機能性表示により、体のどこにいいのか、どのように効果があるのか、が消費者にもすぐ分かるので、計画的に食事する場合に便利です。
トクホでは、「歯、骨、お腹」だけが表示できますが、機能性表示では体のあらゆる部分を表示できるので、食品の特徴がより細かく記載され、消費者もすぐ理解できます。